平成27年度介護保険改正の動向について

平成27年度の介護保険改正が近づいています。以下の5つの項目がポイントとされていますが、介護保険制度が創設された時は明るい未来が描かれましたが、なかなか上手くいかないのが現状のようです。

今回の改正で、サービスはどこまで進んだのか、向上したいのかを考える良いきっかけになればと思います。

 

①利用者負担の引き上げ

〇一定以上の所得のある利用者自己負担を引き上げ

・一定以上の所得のある利用者(単身の場合で合計所得160万円以上  =年金収入280万円以上とする案を中心に検討)について自己負担を1割から2割に引き上げ。但し、世帯の月額上限があるため見直し対象の全員の負担が2割になるわけではない。

・医療保険の現役並み所得相当の人は、月額上限を37,200円から44,400円に引き上げ。(一般の人は37,200円に据え置き)

 

②補足給付に資産を勘案

〇低所得の施設利用者の食費、居住費を補填する「補足給付」の用件に資産などを追加

・預貯金等が単身1,000万円超、夫婦で2,000万円超の場合は対象外。 ・世帯分離した場合でも、配偶者が課税されている場合は対象外。 ・給付額の決定に当たり、非課税年金(遺族年金、障害年金)を収入として勘案。

 

③低所得者の保険料軽減を拡充

 〇低所得者の保険料の軽減割合を拡大

・給付費の5割の公費に加えて別枠で公費を投入し、低所得者の保険料の軽減割合を拡大。 ※保険料の見直し:5,000円程度→2025年度8,200円程度。 ※軽減例:年金収入80万円以下5割軽減→7割軽減に拡大。 ※軽減対象:市町村非課税世帯。(65歳以上の約3割)

 

④介護給付の区町村事業への移行

 〇全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を区市町村が取り組む地域支援事業に移行し多様化する

・訪問介護サービス→多様な担い手による生活支援。

・通所介護サービス→ミニデイなどの通いの場、運動、栄養、口腔ケア等の教室。

・見直しにより、既存の介護事業による既存サービスに加え、NPO、民間企業、住人ボランティア、共同組合等による多様なサービス提供が可能、これにより、効果的、効率的に事業も実施する。

 

⑤特別養護老人ホームへの入所は「要介護3」以上に限る

 〇特別養護老人ホームの新規入所者を原則、要介護3以上に限定(既存入所者は除く)

・要介護2以下の在宅生活困難者の居場所の確保は求められている。